城崎温泉火災 北但大震災後の対策で延焼防止か

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5月5日に豊岡市の城崎温泉で起きた火災では、旅館など合わせて7棟が被害を受けましたが100年前の北但大震災などの教訓をいかした災害対策によって建物の延焼を防いでいた可能性があることが分かりました。

5月5日未明、豊岡市の城崎温泉の旅館で発生した火災では、旅館や土産物店など合わせて7棟が焼けました。

こちらは、出火から50分後に撮影された写真です。

火の粉が空高く舞い上がり、近くの建物に延焼する危険が差し迫っていたことが伺えます。

豊岡市城崎消防団の椿野仁司団長は、発災当日、消防団の指揮をとりました。

5月23日で、北但大震災から100年。

城崎温泉が火災で壊滅した震災後の防火対策によって今回の火災の延焼を防いだ可能性があることが分かりました。

その防火対策とは…。

城崎の文化財に詳しい市民団体・豊岡まちなみ連盟会長の松井敬代さんによりますと、北但大震災の後、この地域では、防火対策として道路を拡張。

さらに建物への延焼を防ぐため、4棟の復興建築物が鉄筋コンクリートでつくられるなど、北但大震災の教訓がその後の復興まちづくりに取り入れられていました。

また今回の消火活動に大きな影響を与えたのが2015年1月、城崎温泉で12棟が全半焼し2人が亡くなった火災でした。

この火災をきっかけに豊岡市消防本部は、城崎の36区画を木造家屋密集街区に指定。

対策を強化することになりました。

この地域では事前に道路の幅や電線の位置を確認し、はしご車が効果的に消火できる位置を把握。

さらに、地元の消防団と訓練などで連携を強化し、消防が火元付近を、消防団が周りの建物に放水するなど役割を分担しました。

北但大震災からまもなく100年。

古きよき温泉街の景観を残しながら防火壁を取り入れるなど、当時の震災の教訓が、城崎のまちで受け継がれています。

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