取材に応じた斎藤知事
第三者委員会の会見
調査報告書
これまでの経緯
第三委の見解と斎藤知事主張
斎藤知事の疑惑を告発した元県民局長の「私的情報」について、兵庫県の第三者委員会は元総務部長が県議会議員3人に漏えいしたとする調査報告書を公表し、「漏えいは斎藤知事と片山元副知事が指示した可能性が高い」と指摘しました。
斎藤知事らの疑惑を告発した元県民局長の私的情報が県議らに流出した疑惑を調査していた県の第三者委員会は、調査報告書を公表し、元総務部長が漏えいしたことを認定しました。
第三者委員会 工藤涼二委員長
「元県民局長の私的情報を紙に印刷した資料の一部を提示し、その内容の一部を口頭で述べるなどして秘密を漏えいした」
私的情報は元県民局長の公用パソコンに保存されていて、報告書では、2024年4月ごろ、元総務部長が県議3人に対し、私的情報の一部を紙に印刷して見せたり、口頭で述べるなどしたと指摘しています。一方、元総務部長は、2025年2月に弁明書を提出し、県議らに私的資料を見せたことは否定したものの口頭で説明したことについては認め、漏えいは斎藤知事と片山元副知事の指示に基づいて行ったと説明しました。
知事は第三者委員会の聞き取り調査で自身の指示を否定していますが、知事から元総務部長に議会と私的情報を共有するよう指示があった旨の説明を他の職員や片山副知事らが行っていることから、第三者委員会は、元総務部長の漏えい行為は知事と副知事が指示した可能性が高いと結論付けました。
県は元総務部長を停職3カ月の懲戒処分としました。また、漏えい情報がインターネット上で拡散されていることについて、YouTubeとXの運営事業者に対し、削除要請を行ったということです。
斎藤知事は、27日午後5時前、報道陣の取材に応じ、「漏えいに関する指示はしていない」と改めて自身の指示を否定しました。
斎藤知事
「このたび、総務部長という要職にあった県職員が懲戒処分に該当するという状況になりました。県民の皆さまの信頼を損なうものであります。組織の長として誠に申し訳なく思っております。深くおわびを申し上げます。漏えいについての指示をしたと、可能性があると委員会から指摘がされておりますけれども、私としては改めて漏えいに関する指示はしていないという認識に変わりありません。
本日情報プラットフォーム法の手続きにのっとりまして事業者に対して情報の削除申し出も行いました。私自身も組織の長として、深く責任を感じております。今後自らの処分についても、給与のカットも含めて検討してまいりたいと考えています。県民の皆さんに対して、県政をしっかり前に進めていくことが私の大事な役割だと思っています」
元総務部長は、27日、代理人の弁護士を通じて「この度の処分につきましては、私の業務行為が情報漏洩と評価されたものであり、誠に残念です。審査請求及び執行停止の申立てを行い、正当性を主張したいと思います。なお、議会調整行為の経緯や内容は、第三者調査委員会でも説明しましたが、それ自体が守秘義務の対象であるためコメントできない旨申し添えます」と文書でコメントを出しています。
第三者委員会の報告書に記されていた漏えいに至った経緯です。
2024年3月25日、人事当局が元県民局長の公務とは関係ないと思われる私的文書を発見しました。
4月中旬ごろ、元総務部長が印刷を指示。
7月25日付の週刊文春で、文書を県議らに見せて回っていたなど元総務部長による情報漏えいを報道。これを受けて、第三者委員会が設置され、調査が行われました。
第三者委員会は、2025年1月27日付で報告書を提出しましたが、2月14日、元総務部長が「知事・元副知事の指示」という新たな事実を主張する弁明書を提出。2月から3月にかけて追加調査を行いました。
第三者委員会の報告書に記されていた漏えいに至った経緯です。
2024年3月25日、人事当局が元県民局長の公務とは関係ないと思われる私的文書を発見しました。
4月中旬ごろ、元総務部長が印刷を指示。
7月25日付の週刊文春で、文書を県議らに見せて回っていたなど元総務部長による情報漏えいを報道。これを受けて、第三者委員会が設置され、調査が行われました。
第三者委員会は、2025年1月27日付で報告書を提出しましたが、2月14日、元総務部長が「知事・元副知事の指示」という新たな事実を主張する弁明書を提出。2月から3月にかけて追加調査を行いました。
■元総務部長の漏えい行為は知事と副知事が指示した可能性が高い
第三者委員会は、「元総務部長が2024年4月、私的な情報を印刷した紙を議員3人に提示し、内容の一部を口頭で伝えた」として、元部長による情報漏えいを認定。
また、「斎藤知事からの指示・同調する片山元副知事の指示により、元県民局長の私的情報について議会の各会派の執行部に『根回し』の趣旨で情報漏えいを行った可能性が高い」と指摘しています。
元総務部長は、弁明書などで「2024年4月上旬ごろ、元県民局長の私的情報の件も含めて知事に報告した際、その私的情報があったことも含めて根回しというか議会の執行部に知らせておいたらいいんじゃないかという趣旨と理解できる知事からの発言があった」と供述。
また、「片山元副知事が『そらそうやな 必要やな』と発言があったと思っている」と説明しました。
■第三者委「斎藤知事の供述は採用することが困難」
斎藤知事はこれまで指示を否定してきましたが、第三者委員会は、「職員や片山元副知事と供述が一致していることから、斎藤知事の供述は採用することが困難だというべき」とも指摘しています。